【第65回 気象予報士試験 実技1】問5を徹底解説|等圧線作図・台風中心位置・移動速度の読み取り
こんにちは!今回は第65回 気象予報士試験 実技1 問5を解説します!
今回の問5では、
- 地上実況図からの等圧線作図
- 台風中心位置の推定
- 風向から見た低気圧性循環の確認
- 台風の進行方向
- 移動速度の計算
など、実技試験で頻出の「作図+位置・速度計算」が問われています。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
- 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の ◇◇hPa で気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
記述式問題の考え方はこちらの記事も参考にしてください!
⇒ 【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
■ 問5(1) 992hPa・988hPa等圧線の作図
問題文
地上実況図を用いて、992hPaの等圧線を実線で、988hPaの等圧線を破線で記入する作図問題です。
模範解答
この図で確認するポイント
- 992hPaが外側の閉曲線になっているか
- 988hPaが内側の閉曲線になっているか
- 観測値の間を比例配分して通っているか
- 不自然な折れ線ではなく、滑らかな曲線になっているか
◇ 解説
等圧線作図では、 観測点の気圧値をもとに、値が一致する位置を比例配分して結ぶ ことが基本です。
今回描くのは、
- 992hPa:外側の閉曲線
- 988hPa:内側の閉曲線
です。
台風中心に近づくほど気圧が低くなるため、 988hPaは992hPaより内側に描きます。
作図でつまずきやすいポイント
- 992hPaと988hPaの内外を逆にしてしまう
- 観測値を無視して感覚だけで線を引いてしまう
- 折れ線のように不自然な等圧線にしてしまう
- 閉曲線にすべきところを開いた線にしてしまう
実技試験での作図のコツ
まず、992hPaや988hPaをまたぐ観測点同士を探します。
たとえば、一方が990hPa、もう一方が994hPaであれば、その中間付近に992hPaが通ります。
このように、複数の通過点を小さく打ってから滑らかに結ぶと、安定して作図できます。
■ 問5(2) 台風中心位置・進行方向・移動速度
問題文
作図した等圧線と風の観測データから、 台風の中心位置、進行方向、移動速度を求める問題です。
模範解答
中心位置:北緯34.6°・東経135.0°付近
進行方向:北
移動速度:約20km/h
記述式解答のポイント:構造型・時間変化型
どこで・いつ:15日12時の台風中心付近で
なぜ:閉じた等圧線の内側で、風向が反時計回りに回り込んでいるため
何が起きている:中心は北緯34.6°・東経135.0°付近にあり、北へ約20km/hで移動している
◇ 解説
台風中心位置を決めるときは、
- 等圧線の閉じ方
- 観測された風向
- 最も低圧な領域
を合わせて判断します。
① まず等圧線の内側を見る
作図した992hPa・988hPaの閉曲線のうち、 一番内側が最も低圧な領域です。
台風中心は、 この最も低圧な部分の近くにあります。
② 風向の回り込みを確認する
北半球の低気圧では、 風は中心に向かって反時計回りに吹き込みます。
したがって、 観測点の風向が円を描くように並んでいる中心を探します。
ここがポイント!
台風中心は、 単に「一番低い気圧の場所」だけでなく、 風向の回り方 と合わせて判断します。
等圧線の閉じ方と風向の回り込みを重ねると、 中心は 北緯34.6°・東経135.0°付近 と読み取れます。
③ 進行方向を求める
進行方向は、 前回の解析中心と今回の中心を結んで判断します。
経度差はほとんどなく、 緯度だけが北へ増えているため、 進行方向は 北 です。
④ 移動速度を求める
移動速度は、
移動距離 ÷ 経過時間
で求めます。
今回は、 前回中心より今回中心が北へ約0.5°移動しています。
緯度1°は約111kmなので、
0.5 × 111 ≒ 56km
です。
経過時間は3時間なので、
56 ÷ 3 ≒ 19km/h
となります。
よって、 5km/h刻みで 約20km/h です。
移動速度でつまずきやすいポイント
- 緯度1°≒111kmを忘れる
- 経過時間で割り忘れる
- km/hとktを混同する
- 中心位置の読み取り誤差を考慮しない
■ 問5 全体まとめ
- 等圧線は観測値間を比例配分して描く
- 低い気圧ほど台風中心に近い
- 992hPaは外側、988hPaは内側
- 台風中心は等圧線と風向の回り込みで判断する
- 北半球の低気圧では風は反時計回りに吹き込む
- 移動速度は「距離 ÷ 時間」で求める
- 緯度1°≒111kmを使う
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第65回 気象予報士試験 実技1 問5の解説でした!
独学資格塾では、単なる模範解答だけでなく、「受験生がどこでつまずくのか?」を重視して解説しています。
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